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思うこと言いたいことの羅列


by aoyamaroad

ポリシーの戦い

駅ですれ違ったおじいさんが、見覚えのある大きな箱を持って改札に向かって歩いて行った。
ああ、あれ、とうとう売れたんだ。僕はそう思った。
その箱は、駅近くの店で売っていたワープロで、6万円以上の値札が付いていたものだったからだ。
「今時ワープロだよ。」「6万以上もするんだよ。」僕らのあいだで、そんなことが話題になったのは1年近く前のことだっただろうか。
恐る恐る店に近づき棚の一番上にあるそのワープロを見に行ったりしていた。
なぜ恐る恐るなのか?それはその店のいでたちがあまりに強力だったからだ。

ポリシーの戦い_c0031305_793524.jpg3畳ほどの店には、たぶん千以上はあるだろう商品が山積みになっており、足の踏み場も無いほど。
店なのに店に一歩も入れないのだ
さらにお客がいたのを見たことないし、まあそれも店に入れないんだから当然なのだが。
その他の商品も、やたら古くて高いけど、一番売れ残ると思っていた、10年以上前の高額ワープロを買ってしまった人がいたことに、何か物語の終わりのような寂しさを感じたのだった。

この近辺にはもうひとつ同じように、とんでもない数の商品が置いてある電気屋もある。
ポリシーの戦い_c0031305_7172065.jpg
足の踏み場が無いほどではないけれど、2畳ほどの店には「たまごっち」から蛍光灯まで硬軟、目も回るような商品群が展示されている。
この二つの店を合わせたら5畳で数千もの商品数ということになるのだろう。

でも、僕が一番驚いたのは、ワープロの店のほど近くにある、余裕の店の方だ。
そこは惣菜屋なのだが、だいたい8畳くらいの大きさの店に、4つの皿に盛られた惣菜が等間隔で並べられている。その4つがこの店の全てであり、他には一切何もない。
あまりの余裕で寒々しく、このところの寒さに拍車がかかり、その店の前を通る時に襟を立てたくなるほどなのです。
ポリシーの戦い_c0031305_7191493.jpg

by aoyamaroad | 2005-01-18 07:24 | 不思議な街角